インフルエンザは毎年流行するとわかっていますから、皆さんも予防接種やマスク、手洗いうがいなど様々な対策をとっていると思います。インフルエンザは発症前にある潜伏期間のうちに薬で症状を抑えることが可能です。こちらでインフルエンザと薬について紹介していきます!

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重症化しやすい合併症のインフルエンザ脳症とは

インフルエンザの合併症には、肺炎や胃腸炎などと共にインフルエンザ脳症があります。
インフルエンザ脳症は、インフルエンザに罹った幼児(1歳から5歳)がけいれん・意識障害・異常行動などを発症します。
脳症は重症化すると急速に進行する神経症と血管が詰まり、多くの臓器が働かなくなる多臓器不全を起こし、その結果、死亡するケースも見られます。

インフルエンザ脳症のほかに脳炎がありますが、こちらは一般的にインフルエンザのウィルスが脳内に直接浸潤して炎症を起こす病です。
ですが、脳症は脳内にウィルスは検出されず、過剰な免疫反応が見られる場合を脳症と診断します。

脳症の発生は急激で、インフルエンザに罹ったその日から1日から2日で発症します。
発熱が約80%の患者に見られ、数時間から1日以内に神経症状が見られるようになります。
そして1日足らずで重症化することもあり、朝に熱が出て、夜には人工呼吸器に繋がれている状態もありえます。
治療法はまだ確立されておらず、対処療法となります。
重症化した場合には、脳低体温療法やシクロスポリン療法などを用いて治療が行われます。

インフルエンザ脳症の患者はほとんどが1歳から5歳の子供で、この時期の子供は熱けいれんを起こし易いといえます。
熱によるものか脳症の症状かを見分けるのは困難で、ゆえにけいれんを起こしたからといって一概に心配する必要はありません。
けいれんが短時間で治まり、繰り返すことがなければ熱けいれんの可能性が高いです。

インフルエンザ脳症の原因と考えられるのは、インフルエンザの毒性は非常に強く、身体を守るはずの免疫系が強烈なダメージを受けてしまいます。
サイトカインは免疫を調節し、病原体を排除する物質です。
種類が多く、サイトカインネットワークという互いに連携して働いています。
それをインフルエンザが破壊し、過剰な免疫反応が起きて「高サイトカイン血症」という状態に脳内がおかれてしまいます。
そのために免疫機能が正常に働かず、けいれんや意識障害などを起こすのです。

子供のインフルエンザ脳症は注意!後遺症が残ることも

子供がインフルエンザに掛かると、心配するのは胃腸炎や肺炎などの合併症でしょう。
ですが、合併症のひとつであるインフルエンザ脳症では、後遺症が残る場合があります。
後遺症は約25%の確率で残ることがあり、身体障害では四肢麻痺や片麻痺が、精神的障害では知的障害やてんかん、高次脳機能障害などが現われます。
これらの後遺症は障害内容の程度の違いこそあれ、リハビリテーションを通して、ある程度回復することが可能といわれています。
後遺症の症状によっても違いがありますが、医師や理学療法士などの各専門分野が集まり、それぞれの状態に合わせたプログラムが組まれます。
患者の家族と医師等が良く話し合いをして改善方法を検討していく必要があります。

熱の高い子供に解熱鎮痛剤(アスピリン)を使用した所、急性脳症や肝臓の脂肪浸潤、そして死亡例も見られます。
これはライ症候群ですが、アスピリン以外の解熱鎮痛剤を使用してもインフルエンザ脳症を重症化させる恐れがあります。
アスピリン・メフェム酸・ジクロフェナクナロリウムなどの解熱鎮痛剤の成分は、インフルエンザ脳症を誘発する原因となり、重症化を招く事は明らかにされています。
特にアスピリンはインフルエンザの発症に関わらず、15歳以下の子供に使用することは禁じられていますので、安易に熱があるからと与えてしまわないように注意してください。

もしも熱が高く身体が辛いようであれば、アセトアミノフェンの解熱鎮痛剤を使うようにします。
アスピリンよりも解熱作用が穏やかで、すぐに効果は感じられないかもしれません。
ですが、発熱は身体がウィルスと闘っている証でもあり、無理やり下げて仕舞うのは賢明とはいえない行為です。
解熱鎮痛剤はなるべく使用しないことが望ましいとされています。